再現期間について

防災科学技術研究所
水・土砂防災研究部門
連絡先:水・土砂防災研究部門 平野(hirano [ at ] bosai.go.jp)

再現期間とは

降水量の再現期間とは、観測された降水量が平均してどれぐらいの期間に一度起こるかを表すものです。

再現期間を推定する方法はいろいろありますが、そのうちの一つとして、年最大値に基づいて推定する方法があります。 例えば、100年分の日降水量データが蓄積されていて、 そのうち日降水量の年最大値が600 mmを超える年が5回(年)あったとすれば、 平均すると20 年に一度の確率で600 mmを上回る日降水量が発生したと言えます。 この場合、日降水量が600 mm以上となる確率が「20年に一度」であると表現することができます。 そして、20年を600 mm日降水量の「再現期間」(Return Period)といい、600 mmを再現期間20年に相当する「確率降水量」と呼びます。

降水量と再現期間の関係(確率関数)は、極値統計の理論に基づいて過去のデータから近似的に求めることができます。 一旦関係が確立されれば過去データに含まれていない値(経験したことのない)降水量に対しても、 確率分布に当てはめることによって対応する再現期間を推定することができます。

「大雨の稀さ情報」サイト

「大雨の稀さ情報」サイトでは、再現期間を使って、現在までの降水量がその地域にとってどの程度珍しいものかを示しています。 再現期間が長いということは、その地域にとって滅多にない稀な規模を持つ大雨であると意味します。

再現期間を推定するための確率関数は、気象庁解析雨量の29年分のデータをもとに5 km格子毎に最適化しています。 「大雨の稀さ情報」サイトは、水防災オープンデータ提供サービスが配信するXRAIN(eXtended RAdar Information Network) 雨量から10 分間隔に算出した積算雨量及び実効雨量に対し、 最適化した確率関数を用いて対応する再現期間を推定しています。

使用上の注意